のんびりな休日に、ベスパフルオーダー制作記でもいかがですか?

2019年4月29日
明日から当店もゴールデンウイーク
30、1、2日お休みとなります

しかし天気は雨模様
それならゆっくり読み物でもして過ごすのも
良い休日です

クラシックレーシング
そんなテーマでオーダー頂きました
Vespa 50s フルオーダー車両完成です

今回は全塗装、エンジンフルオーバーホール、必要パーツの交換を行い
丁寧に丁寧に仕上げさせて頂きました

早速ご紹介してまいります

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実は今回この車両、分解された状態で前オーナー様から買い取らせて頂きました
もし売却お困りの車両が有れば、何でもご相談下さい

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早速外装は塗装工場へ移動します
缶スプレーで塗装されてしまっているので、サンドブラストで総剥離
その後、全塗装となります

塗装する色は、お客様のご指定
FIATパンダのブルーです
イタリアで勤務中にその色に惚れ
いつかこの色でベスパを作りたいと決めていたそうです!

お客様の理想の色を確認するには、色見本が大切です
当店はバイクとミニカーの店
ミニカーでご準備してみました
光の当たる所、陰になる所、日陰、直射日光
色々なシチュエーションで確認することが可能ですから
色見本としては最高と考えています

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ちなみにですが、今回のミニカー
トミカリミテッド ビンテージシリーズ
すでに絶版品ですが、絶版ミニカーのお探しも当店得意としております

本題に戻ります!

塗装工程は当店が絶大な信頼をする職人に任せ
自店工場ではエンジンのオーバーホールに取り掛かります
エンジンも途中まで分解されていますが、当店にとって問題ではありません

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クランクケースなども缶スプレーで塗装されてしまっているので
こちらも全て剥離し、汚れもすべてクリーニングします

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クリーニングには綺麗にする以外にも、ケースの損傷点検や後のオイル漏れ確認には
絶対に必要な工程です、丁寧に丁寧に行います

全てのパーツの洗浄、検品を終え、早速組み立てに移行します
クランクケースまで分解したので、せっかくですから各部仕様変更し
最良のセットアップにしていこうと思います
まずは1次減速比の変更です

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そして2次減速比にも変更を加えます
2-3速、3-4速間のワイドレシオをショートレシオに変更

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この1次減速と2次減速のバランスは大変重要で
組み合わせが悪いと4速でハイギアになりすぎて加速できない状況にもなります
うまく組み合わせたギア比は1速もしっかり使えて、2速に変速
早めに3速に変速しても回転は落ち過ぎず、4速でもしっかり加速
4速から3速への減速時もスムーズなエンジンブレーキが可能です

さらに上のシフトフィーリングをお求めの方はこちらをご覧ください!!
http://motovillage.jp/50sv5.html

ミッション周りの各消耗品も点検し組み立て
ギアクリアランスもしっかり確認します

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クランクケース分解時しか交換できないOリング、キックバッファ、クランクシャフトオイルシールも
確実に交換
ベアリングも交換しておきます

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これでクランクケース内部の作業は完了なので、ガスケットを組み込みケースは組み立て完了です

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それではシリンダー組付けに移行します
シリンダーもピストンも交換しますが、まずは大切な下処理です
ピストンリングクリアランスの調整
ポートの面取りを行います
そしてスモールエンドベアリングもワイド化し組み込み

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エンジンはひとまずここで完成です

少し時間を置き帰ってきました!
何とも素晴らしい仕上がりです
色もとても良いですね!

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まずはアルミモールの組み込み
専用工具と経験が必要なこのパーツ
じっくり時間をかけ組み付けます
慌てると綺麗には仕上がりません

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モールが付いたボディーに、組み立てたエンジンを搭載

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ステムベアリングは今回問題ないので、グリスアップ
フロントフォークは今回スポーティーなイメージで黒に塗装
それに合わせてサスペンションは赤をチョイスしました

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もちろんリアサスペンションも統一
これが後々全体のイメージに大きく影響します

そしてまた細かい作業に戻ります

電気ハーネスを通し、各操作用のアウターワイヤーも新品を通します
当店で使用するアウターワイヤーはテフロンライナーの入る3重構造
このアウターワイヤーの操作感は抜群に良いです
この後も行う各作業と複合し当店で仕上げた車両は
クラッチ軽々、切れも抜群、ギア操作、スロットルも全てスムーズになります

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その快適な操作の要
クラッチの作業です

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プレート他色々な部品を交換しますが、新品パーツをそのまま組むことは絶対にしません
スチールプレート、フリクションプレート、インナーバスケット
全てにおいて加工、下処理をします
クラッチスプリングは日本製
握りは軽く、しかしクラッチは滑らない最高のスプリング
これにも加工をしてから組み付けます
当店ではこの処理に徹底的に時間をかけます
この手間をかけたクラッチの操作感はとても良いです
確実に切れるので、停車中も楽々ギア操作ができます
握りは軽く快適です
排気量を上げても適切な処理と、正しい組み合わせをしたギア比の車両は
3枚クラッチで滑りません
これだけでベスパの運転がどれほど快適になるか、お乗りの方ならお分かりですね

長くベスパをお乗りの方にこの作業を行うと、今までとの違いに大きな驚きの声を頂きます

今回は組み込んでいませんが、最近ではさらに操作が軽くなるパーツもあります
当店仕様に、こちらのパーツを組んだクラッチレバーは軽いというかフニャフニャという表現にもなります

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それではクラッチカバーを組み付けますが、Oリング交換も忘れずに

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少し錆びの出ていた各パーツ、足回りに合わせ黒塗装
マニホールドブーツ、フェルトシールを交換し組み込んでいきます

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ブレーキ周りもガスケット、オイルシールを交換
シューはクリーニングと面取り、各部に鳴き止め加工をしておきます

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次に快適操作に欠かせない、ハンドルパイプのオーバーホール
スロットルとシフトはこのパイプが回転して作動しますので
ここがスムーズに動く事は重要です
クリーニング、バリ取り、グリスアップを行っておきます

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インナーワイヤーも通し、調整
この調整も手寧に、遊びが多すぎても、少なすぎても快適なシフトは出来ません
ワイヤー末端もハンダ処理
ミッションオイルはモチュールです


これで操作関係の準備は出来ましたので、電気系に移行します

大きなメンテナンスを行っていないベスパのほとんどがこの状態です
各コイルから出るハーネスは被覆が痛み、芯線が露出しています
ここまで進行していなくても、ほぼ同じ状況になっています

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このハーネスを1本1本張替え
ポイントは交換、コンデンサも交換
保護チューブも交換、グロメットも交換し、組み込みです

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一度フライホイルを組み、点火時期を確認、調整
確実に上死点をマーキングし、点火時期を算出
特に進角装置の付いていない機構では、エンジンは始動しなくても
点火時期は確認調整可能です

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ここまでくればエンジン始動に不安は全くありません

先に足回りを組んでしまいます

先ほどの黒塗装したフロントフォーク、赤いサスペンションと合わせ
レーシーなイメージにする為、ホイルも黒塗装
タイヤにはホワイトレターを入れました

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いかがですか
かなりイメージが変わりますね!

テールランプも交換
ベースは同色塗装

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ここまで来たので、一気に組み上げます!

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フロアレールも交換
ブレーキペダルゴムも交換
グリップ、ホーンゴム、テールベースゴムはグレーで統一
ウインカーレンズもクリアへ変更
ミラーステーは黒塗装
ミラーはヘアーライン処理をしてマッド仕上げ

燃料系統を仮組み
ここで一度試走です

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試走の後、キャブレターはセッティングを行いながらオーバーホール
コックやホースは交換します

ここでようやく1次完成です!!

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どうですか
カッコイイですよね
しばらく店内に展示しましたが、評判はかなり良かったです
ベスパのベテランさんにも高評価を頂いたのは嬉しかったです!



今回のコンセプト
クラシックレーシング

ここからのカスタムは
まずシート
定番ではありますがやはりカッコイイです

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そしてこだわったマフラーはこちら
通称 ピナスコ白バナナ
50sにバナナは賛否ありますが、今回のオーナー様のご希望は
クラシックでレーシーなイメージで、通勤にも使えて、鎌倉市街地をスマートに走れる静かさ
私のチョイスはこれ1択でした

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ベスパの歴史ではこの白バナナは有名です
ですが残念な事に再販を繰り返した後、とうとう生産終了になりました
今回もじっくり探し、イタリアから輸入でのご用意となりました

シートとマフラーを交換した事で、さらに雰囲気を変え
正にクラシックでレーシーな仕上がりとなりました

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ご希望によっては、これ以上の性能向上も狙えます
キャブレターの大口径化やエンジンの更なるチューンなどですね
今回のお客様はファーストベスパ、乗りやすさの点からここまでとします

ここまでの作業でも未整備の車両とは全く別物です

当店ではベスパ、特にスモールボディーの快適な操作感には自信があります
10年20年30年とご所有のお客様からも
今までで一番乗りやすい!とのお声を頂いております

この記事で気になる作業がございましたら、お気軽にお問い合わせください
お待ちしております

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